心不全の診断
心不全診断
心不全の診断は、症状と身体所見、検査所見により行われ、フラミンガムの心不全の診断基準が広く用いられている。
フラミンガムの診断基準
大基準
- 発作性夜間呼吸困難
- 頸静脈怒張
- ラ音
- 胸部Ⅹ線上での心拡大
- 急性肺水腫
- Ⅲ音、ギャロップリズム
- 中心静脈圧上昇>16cmH₂O
- 肝頸静脈逆流
- 治療に反応して5日間に4.5Kg以上の体重減少
小基準
- 下肢の両側浮腫
- 夜間の咳
- 労作時呼吸困難
- 肝腫大
- 胸水
- 肺活量が最大の三分の一以下
- 頻脈(120/分以上)
検査
胸部X線検査
心拡大をみとめ、心胸比(CTR)は増大する。
心電図
心不全に特異的な所見はない
心エコー法などの画像診断
左室駆出分画の低下した収縮不全か否か、左房圧上昇や肺高血圧、右房圧の上昇などについて情報が得られる。
BNP測定
心不全では必ずといってよいほど上昇し、心不全の重症化によって高値になる。
動脈血酸素分圧・動脈血ガス分析
肺うっ血の程度に比例して動脈血酸素分圧(PaO2)は低下する。
右房圧や肺動脈圧、肺動脈楔入圧、心拍出量など血行動態の正確な評価が可能となる。